赤羽水族館

赤羽魚図鑑

三河湾と伊勢湾で採れる魚や貝をご紹介します。

魚類

アズキマス

地域によって「アコウ」「キジハタ」とも呼ばれています。やや細長く、茶色っぽい褐色の体色に赤みを帯びた斑点が体側に無数に散らばっています。ヒレは全体に黄色みで、背ビレの付け根に大きな黒い斑点があります。旬は6月〜8月頃です。

鱧(はも)

細長い円筒形の体形ですが、口が大きく、細長い上下の顎に鋭いノコギリ状の歯が並んでいます。背びれは体の中央付近からあり尾びれと連続します。ウロコがなく、体色は腹部が銀白色で、背側の部分は黒みがかっています。旬は6月〜7月頃です。

いしがれい

体は楕円形で左右に平たいです。左眼と右眼は近接しています。ウロコがなく、皮はなめらかです。背側に石のような硬い石灰質の突起が2~3列並んでいます。有眼側は黄褐色か暗緑褐色で、白色の小円斑が散在します。旬は4月~5月頃です。

鯖(マサバ)

体形は紡錘形で、口先から頭部にかけて円錐形です。体の背部は緑色で、多数の短い黒色の波流紋をもち、側線の下まで伸びています。腹面は銀白色です。薄くはがれやすいウロコで「サバの生ぐされ」といわれるほど鮮度が落ちやすいです。旬は10月頃です。

ひらめ

「左ひらめに右かれい」といわれるように目が左についています。体は長楕円形で、左右に平たいです。口が大きく、両あごの歯が鋭く強い。有眼側は暗褐色で、白色小斑と豹紋状黒斑があります。ひれの付け根にある、「エンガワ」は好物な方が多いです。

かさご

沿岸の岩礁に棲み、大口・大目玉で面構えもいかつく、背びれやトゲが鋭い。体色は黒褐色から赤褐色まで変異に富み、深い所にいるほど赤みがかっています。大小の白斑がたくさんあり、複雑な体の模様が周囲にとけこんで見分けがつきにくいこともあります。

はまち

成長するにつれ名前が変わる「出世魚」です。地域によっても呼び名・基準が変わります。体型は紡錘形であまり側扁していません。全体に細かい円鱗です。背側は青色、腹側は銀白色で吻端から尾柄にかけて1本の黄色の縦帯があります。

すずき

成長につれて呼び名が変わる出世魚で、若魚のときは「セイゴ」と呼ばれます。体は長く側扁し、えらぶたが大きく、その後縁に硬い棘があります。大きな口で、下顎が上顎より突出しています。体色は背中側が緑黒色や灰緑色、体側から腹部にかけて銀白色です。旬は6月〜8月頃です。

黒鯛(くろだい)

体は暗灰いろで、腹部のほうは銀白色です。ほおにはウロコの列に沿い11~12の水平方向の帯があります。歯と顎が頑丈で、非常に鋭敏な感覚を持ち、釣りをする方の間では、秘術の尽くしがいのある魚だと聞きます。

とらふぐ(河豚)

胸びれのそばに白く縁とられた大きな黒い斑紋があるのが大きな特徴です。腹部は白く、やや小さめの棘が密生していてザラザラしています。背中は緑色を帯びた黒色で、まだらな黒斑がいくつもあります。背びれは黒く、しりびれは白いか赤みを帯びています。卵巣や肝臓は「テトロドトキシン」という強毒を持っています。

ほうぼう

深海の魚で、腹側は白く、背面側は灰褐色と赤のまだら模様です。胸鰭(むなびれ)が半円形で異様に大きいのが特徴です。年中漁獲がありますが、12月〜2月のあいだが最も美味しい旬になります。

ジンメガレイ

「ホシガレイ」とも呼ばれます。有眼側は細かい櫛鱗(しつりん)で覆われ固く、全体に暗褐色の体色です。無眼側は白く、背ビレやしりビレ、尾ビレに黒い斑紋が並び、体側にも後部に黒く小さな丸い斑点が散らばっています。

あんこう

頭部が大きく、胴から尾部は細くて短いです。口はすさまじく大きく、歯は鋭いです。皮膚はなめらかで、体色は褐色、暗褐色の斑紋が散在するほかに、褐色の小さな輪状紋が網目状になっています。腹側は白くて黒褐色の斑点がまばらにあります。

めばる

煮魚の代表格。からだは紡錘形で側扁し、目が大きくやや凸形で、前頭部の上端近くについているので、目と目の間が狭いです。沿岸に棲む魚で、棲む場所や深さによって体色が異なり、赤メバル、黒メバルなどと呼び分けます。旬は1月後半〜3月頃です。

本ギマ(カワハギ)

ウロコがなく、堅くザラザラした皮に包まれています。この皮を剥いで(はいで)料理することから、カワハギと呼ばれます。体は上下に平たく、背びれと腹びれは太く短い棘になっています。小さい口ですが、歯が頑丈です。肝臓(キモ)も珍重。旬は9月~10月頃です。

石鯛(いしだい)

「ナベダイ」とも呼び、若魚を「サンバソウ」とも呼びます。真鯛にくらべ、ヒレが発達していて、銀色の光沢が残った灰黒色の特徴ある体色で、円盤のような体型です。頑丈な口(くちばし状の顎)で、黒帯のような横縞が入ってます。年中獲れますが、旬は春〜秋です。

真鯛(まだい)

体は側扁した楕円形で、顎が前方に少し突き出し、尾鰭は大きく二又しています。体色は紫褐色の帯びた光沢のある淡紅色で、青い小斑点があります。歯ごたえのある白身で、「めでたい」との語呂合わせであることから、慶祝事や神道の祭りでよく使われます。

目板鰈(メイタガレイ)

口が小さく、目が突出していて、両目の間からは骨のような突起(目板)があります。この突起を触ると痛いこと(目痛)などからこの名がついたといわれます。体色は茶色で、暗褐色の小斑点が無数にあります。旬は3月~5月頃です。

鯒(こち)

からだは縦扁(じゅうへん)と呼ばれる上から押しつぶされたような平たい形をしています。尾に近づくにしたがって細くなります。腹側は白っぽい色ですが、背中側の体色は周囲の環境に合わせた保護色で、黄褐色や褐色系といった地味な体色です。背びれと腹びれがとても鋭いのも特徴。旬は6月〜8月頃です。

モガレイ

楕円形の体で、左右に平たいです。左眼と右眼は近接して上下に並んでいます。口が小さいことから、「くちぼそ」とも呼ばれます。うろこは小さく、有眼側はざらざらしています。有眼側は黒褐色で無眼側は白く、背縁と腹縁は幅広く、黄色味を帯びています。3月後半〜5月頃が旬です。

ウマヅラハギ

体形は側扁し、本カワハギと比べると細長くて楕円状です。顔面が長く、馬の顔を連想させることから、その名がついたといわれます。また、後頭部に大きな棘が1本伸びています。口は小さく歯は、ウロコはかい毛状で表面がザラザラしています。体色は薄青灰色や薄茶色でヒレは青緑色です。雲っぽい白い模様があるものが多いです。

ヒガンフグ

春のお彼岸頃よく獲れたり、産卵のためによく見かけるのでこの名がついたそうです。「アカメフグ」「茶ふぐ」とも呼ばれます。ずんぐりと丸みのある体形で、眼球の白めの部分が橙色から赤色です。体色は黄褐色から茶褐色で、腹側は白色から淡黄色です。体側に不規則で大きな暗色斑があるのも特徴です。

鯵(アジ)

エラブタの後ろから尾の付け根までぜんご(ぜいご)と呼ばれる、固い棘のようなウロコが伸びており、尾柄の近くで非常に硬く盛り上がっているのが大きな特徴です。背側は黒や黄色っぽい色で、腹側は銀色で、表面は薄くてウロコは剥がれやすいです。

いさき

体形はやや前後に細長い紡錘形で側扁しています。ウロコが細かく、ザラザラしています。背びれは前部後部が分かれず連なっています。体色はオリーブグリーンが混じった褐色で、腹部は黄色味を帯びているものからいぶし銀のような色合いのものまであります。旬は6月〜7月前半頃です。

甘鯛(赤あまだい)

場所によって「ぐじ」とも呼ばれます。体形は側扁し、頭部は特有のデコから目を角にして口までまっすぐ落ちる角ばった形をしています。体色は紅色で美しく、腹は白く、体側には多数の淡色横帯が並びます。眼の後方に銀白色の逆三角形をした斑紋があります。尾びれに黄色の縦帯があるのも特徴です。旬は7月〜10月頃です。

太刀魚(たちうお)

「太刀」に形が似ているのでこの名がついたと言われます。体型は平たく、ウロコのない銀白色の体色です。腹びれがなく、背びれは長く頭の後ろから尾の部分まであります。下顎(したあご)が突き出ていて、顎に並ぶ歯は側扁し非常に鋭い歯です。

甲殻類

わたりがに

一番後ろの脚先が平らで板のようになっているのが特徴で、ハサミ脚が強く、たくさんの棘があります。甲は横長の六角形で前縁左右に大きな棘が並びます。左右にも大きな棘が突き出しています。甲や脚の背面は黄緑褐色で、脚とそのまわりは青みがかってます。旬は夏〜秋です。

車海老

波静かなところに棲み、腹部に茶褐色か青褐色の横縞があるのが特徴です。腹部を曲げたときに、この縞模様が車輪のように見えるところからこの名がついたそうです。活き車海老のとろりとした旨さと料理しやすいところに人気があります。水揚げが多くなるのは6月〜9月頃です。

伊勢海老

日本の神事の中心地伊勢を踏まえてつけられたそうです。体色は茶色で、甲は非常に堅く、えび類のなかで最も堅固です。ひげが長く、多数のとげで覆われています。姿が立派なこと、茹でると殻が美しい鮮紅色になることから、祝膳用の装飾用に珍重され、飾り海老とも呼ばれます。

ウチワエビ

体の前半部は円盤状になっており、団扇のように見えることから、ウチワエビと呼ばれるそうです。頭胸甲の部分の縁には大きな切れ込み(触角)が連なり、縁には鋸の歯のような棘が並んでいます。旬は3月〜6月頃です。

蝦蛄海老(しゃこえび)

縦長の体で、他の海老にくらべると腹部が太く長いです。頭の甲羅は小さく、頭胸甲から腹節にかけて背側には縦に隆起線が入っています。腹部は扁平で、尾節は縁に先が赤い棘が並ぶ尾扇があります。旬は産卵期を控え腹にカツブシと呼ばれる卵巣が発達する3月〜5月頃です。

赤車海老(あかしゃえび)

「うたせえび」ともいいます。小エビとして食べられているもののひとつで、赤車海老なのだから赤いのではなく、全身に斑模様があり、くすんだ灰色や小豆色をしています。食べ方多彩で、釣りえさとしても定評があります。3月〜5月頃よくみかけます。

貝類

大あさり

貝殻の内側が紫色なので、ウチムラサキガイともいわれます。10cm前後になる大型の2枚貝で、貝殻が厚く、硬いです。殻の表面には、成長輪脈と呼ばれる粗い筋があります。年間とおして漁獲はありますが、なかでも3月〜5月頃、身があつくなります。

平貝(タイラガイ)

「タイラギ」とも呼ばれます。見た目がムール貝に似ていて、20cm〜30cmくらいの大きな2枚貝です。貝殻の表面は暗い緑色、貝殻の中はわずかな光沢があります。1月後半〜春にかけて旬になり、甘みが増し、身入りもよくなります。

赤貝(あかがい)

身が赤いため、その名がついたそうです。「本玉」ともよばれます。殻は陶器のようで白くてやや薄いです。殻表には40本以上の放射状の畝があり、殻皮は褐色でビードロ状、畝の間の溝の上は短い毛状になっています。旬は2月〜4月始め頃です。

白ミル貝

水管の黒い本みる貝に対して、「白ミル貝」と呼ばれます。「ナミガイ」とも呼ばれます。常に貝殻から水管が飛び出している状態で、灰白色で楕円形の殻は薄く、割れやすいです。旬は3月〜5月頃です。

鮑(あわび)

殻の形は卵型のお玉を伏せたような形で、後方端にはほんの少しの渦巻きがあり、その中心を起点として数個の突起状に開いた出水孔という穴が並んでいます。雌雄は身の裏に隠れているワタの生殖巣の色で判別、雌は緑色、雄はクリーム色です。

栄螺(さざえ)

岩礁や荒磯にすむ巻き貝です。殻はこぶし形で堅固です。磯の香りと独特の苦味があります。海流や波の激しい場所のものは角状突起(つの)が長く、波の穏やかな場所にいるものは角状突起(つの)が丸まっています。

浅蜊(あさり)

内湾に分布し、海岸の砂や泥地に埋まって生息しています。生息場所によって殻の色や模様がちがいます。殻の表面がザラザラしており、黒や茶色の模様がまじっているのが特徴です。調理前に下ごしらえとして砂出しする必要があります。

岩牡蠣(いわがき)

真カキよりも殻が厚いのが特徴です。手のひらくらいの大きさで、なかには1個で1kgくらいのものもあります。身は殻の大きさと比例しているとは限らずまちまちですが、真カキにくらべると大きいです。ほとんどが天然物で素潜りなどで獲られたものです。旬は6月〜8月です。

その他

蛸(たこ)

大きい物は全長60cm、体重3kg~4kg強になります。足の長さが全長の4分の3くらいで、胴の表面は大小のいぼが網目状になっていて、黄褐色でむらがあります。体表には色素細胞が密集しており、体色を周囲の色に合わせて変えることができます。

アオリイカ

沿岸に生息するイカとしては大型で、胴に丸みを帯び、胴の縁に渡って半円形のひれがあります。甲は薄くて透明な軟甲です。ひれの色や形が障泥(あおり)と呼ばれる馬の胴体に巻く泥よけの馬具に似ていることからこの名前がついたとか。肉質は固く、甘みがあります。旬は6月~7月上旬頃です。

スミイカ

墨をたくさん持ち、すぐ噴くからスミイカとも呼ばれます。甲羅に縦縞模様があります。オスのほうがこの模様がくっきり、明確です。また、舟形をした甲羅の先端にトゲがあることから、はりいかと呼ぶ方もいます。旬は2月〜4月頃です。

赤海鼠(あかなまこ)

筒状で背に多数のいぼ状突起があります。赤褐色で、肉が堅く、こりこりとした歯ごたえ・弾力のある食感です。腸管の塩辛を、このわた卵巣を「このこ」と呼びます。天下の三珍味といわれます。

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