旬の魚のご紹介

地魚・旬の魚のご紹介

四季がある日本において四季折々の魚の提供は、日本料理文化における重要な要素であり、旬の食材を大切にする美食の精神を表しています。またそれぞれの季節に合った調理法や食べ方が生み出され、季節感を楽しむ文化が根付いているのも日本の良き文化の一つです。季節ごとに異なる魚を通じ、私たちは自然の恵みに感謝の気持ちを込めて、今日もお客様へ新鮮で美味しい魚介類を提供しています。

春の鮮魚

モガレイ(愛知県産)

楕円形の体で、左右に平たいです。左眼と右眼とは近接して上下に並んでいます。口がちいさいことから、「くちぼそ」とも呼ばれます。うろこは小さく、有眼側はざらざらしています。有眼側は黒褐色で無眼側は白く、背縁と腹縁は幅広く、黄色味を帯びています。

大あさり(南知多産)

貝殻の内側が紫色なので、ウチムラサキガイともいわれます。10cm前後になる大型の2枚貝で、貝殻が厚く、硬いです。殻の表面には成長輪脈と呼ばれる粗い筋があります。煮たり、潮汁にもできますが、すぐ身が硬くなるので、網焼き(焼きたて)で食べるのがおススメです。

平貝(タイラガイ)(南知多産)

三角形に尖った殻頂を海底の泥に突き刺した形で、浅い内湾に生息。大きな貝殻の中に入っている貝柱は、ホタテも美味しいですが、ホタテとは違う、磯の香り漂う、上品な甘味のある味です。ヒモは、バター炒めや醤油炒めにして食べられます。

赤車海老(南知多産)

「うたせえび」ともいいます。小エビとして食べられているもののひとつで、赤しゃえびなのだから赤いのではなく、全身に斑模様があり、くすんだ灰色や小豆色をしています。塩茹で・かき揚げをはじめ、食べ方多彩です。また、釣りエサとしても定評があります。

いしがれい(愛知県産)

体は楕円形で左右に平たいです。左眼と右眼は近接しています。ウロコがなく、皮はなめらかです。背側に石のような硬い石灰質の突起が2~3列並んでいます。有眼側は黄褐色か暗緑褐色で、白色の小円斑が散在してます。

あさり(愛知県産)

内湾に分布し、海岸の砂や泥地に埋まって生息しています。場所によって殻の色や模様がちがいます。殻の表面がザラザラしており、黒と茶色の模様がまじっているのが特徴です。酒蒸し・味噌汁・パスタなど和洋問わず調理方法が多彩ですが、下ごしらえとして砂出しをする必要があります。

春の鮮魚
旬のレシピをご紹介
あさりの酒蒸し

材料: あさり500g、酒1/2カップ、みりん大さじ2、醤油大さじ2、しょうが1枚(薄切り)、青ねぎ適量
①あさりを砂や汚れからきれいにし、鍋に入れ酒を回しかけます。
②中火にかけ、蓋をして蒸し焼きにし、あさりが開いてきたら火をとめます。
③別の鍋で、みりん、醤油、しょうがを混ぜ合わせ、中火で温めます。
④あさりに③の調味料をかけ、軽く混ぜます。
⑤再び中火で1分ほど蒸し焼きにして器に盛り付け、ネギをのせて完成です。

夏の鮮魚

鱧(愛知県産・三重県産)

体はやや側扁し、口は大きく、目の後方まで開きます。しりびれと尾びれが後端でつながり、背部は暗褐色から紫褐色です。腹部は白色を帯びます。

車海老(伊勢湾産・三河湾産)

波静かなところに棲み、腹部に茶褐色か青褐色の横縞あるのが特徴。腹部を曲げたときに、この縞模様が車輪のように見えるところからこの名がついたそうです。活き車海老のとろりとしたうまさと、料理しやすいところに人気があります。

アオリイカ(伊勢湾産・三河湾産)

沿岸に生息するイカとしては大型で、胴が丸みを帯び、胴の縁に渡って半円形のひれがあります。甲は薄くて透明な軟甲です。ひれの色や形が障泥(あおり)と呼ばれる馬の胴体に巻く泥よけの馬具に似ているからこの名前が付いたとか。肉質は固く、甘みがあります。

たちうお(南知多産)

「太刀」に形が似ているのでこの名がついたと言われています。体型は平たく、ウロコのない銀白色の体色です。腹ビレがなく、背ビレは長く頭の後ろから尾の部分まであります。下顎(あご)が突き出ていて、顎に並ぶ歯は側扁し非常に鋭い歯です。

キス(南知多産)

ここではシロギスのことです。体は細長い円筒形で、細いザラザラのウロコにおおわれています。口が小さく、体色は背が淡い黄色ですが、光を反射すると虹色に光ります。意外と鮮度がおちやすいので刺身にする場合、活きたものか、しっかり〆たもので。

さざえ(愛知県産・三重県産)

岩礁や荒磯にすむ巻き貝です。殻はこぶし形で堅固です。磯の香りと独特の苦味があります。海流や波の激しい場所のものは角状突起(つの)が長く、穏やかな場所にいるものは角角状突起(つの)が丸まっています。

夏の鮮魚
旬のレシピをご紹介
湯引き鱧

材料: ハモ(骨切り済み)200g、塩(水の量に対して3%)、梅干3個、酒大さじ1、 醤油大さじ2/3、みりん大さじ2/3
①ハモをひとくち大(2~3cm幅)にカットする。
②カットしたハモを塩を加えた熱湯で15秒ほどくぐらせ、氷水であら熱が取れるまで冷やし、ザルに上げ水気を切る。
③梅干は種を取り除いて包丁で細かくたたき、Aの調味料で味付けを行い梅肉ソースを作る。

秋の鮮魚

わたりがに(伊勢湾産、三河湾産)

いちばん後ろの足が板のようになっているのが特徴です。それを使って海を泳ぎわたるので、この名がついたとか。脚のつけ根に身が多く、みそや卵巣の旨味が最高に美味しいです。塩茹での他に、これでだしをとったつゆで食べる蕎麦も美味です。 

真鯛(愛知県産・三重県産)

体は側扁した楕円形で、顎が前方に少し突き出し、尾鰭は大きく二又しています。体色は紫褐色を帯びた光沢のある淡紅色で、青い小斑点があります。歯ごたえのある白身で、「めでたい」との語呂合わせから、慶祝事や神道の祭りでよく使われます。

本ギマ(愛知県産・三重県産)

ウロコがなく、堅くザラザラした皮に包まれています。この皮を剥いで(はいで)料理することから、カワハギと呼ばれます。体は上下に平らく、背びれと腹びれは太く短い棘になっています。小さい口ですが、歯が頑丈です。肝臓(キモ)は冬になると餌を含み大きくなります。

キス

別名シロギスとも呼ばれ細長く、スマートな体型で、背鰭は2基あります。背びれとしりびれは長く、目立つ模様がないです。体背面は緑がかった灰色で砂地と同化するような色合いになっており、腹面は白色です。泳いでいるとき、背側に金色の斑点や青色の縦線が見られます。

伊勢海老(愛知県産、三重県産)

日本の神事の中心地伊勢を踏まえてつけられたそうです。体色は茶色で、甲は非常に堅く、えび類のなかで最も堅固です。ひげが長く、多数のとげでおおわれています。姿が立派なこと、茹でると殻が美しい鮮紅色になることから、祝膳用の装飾用に珍重され、「飾りえび」とも呼ばれています。

黒だい(伊勢湾産・三河湾産)

からだは暗灰色で、腹のほうは銀白色です。ほおにはウロコの列に沿い11~12の水平方向の帯があります。歯とあごが頑丈で非常に鋭敏な感覚を持ち、釣りをする方たちのあいだでは、秘術の尽くしがいのある魚だと聞きます。

秋の鮮魚
旬のレシピをご紹介
キスの天ぷら

材料:キス、塩少々、水溶き天ぷら粉適量、サラダ油(揚げ用)適量
①キスのウロコをとり、頭をカマ下で落とし、内臓を取り背開きにする。大きいものは腹骨もすき取る。
②キスに振り塩をし、水溶き天ぷら粉につけて170℃の油で衣がきつね色になるまで揚げる。(2〜3分)

冬の鮮魚

トラフグ(愛知県産・三重県産)

冬の味覚の代表格ともいえる魚です。胸びれのそばに大きな黒い斑紋があり、しりびれは白いです。筋肉(身)・皮・精巣(白子)が無毒で食べられます。ふぐ毒はテトロドトキシンという猛毒です。その部分を除去(みがいて)して、刺身・鍋・唐揚げ・焼きふぐ・雑炊等にして食べます。

赤なまこ(愛知県産・三重県産)

筒状のからだで、背に多数のいぼ状突起があります。体色は赤褐色、腹面に管足が密生し、口の周辺には多くの触手があります。こりこりとした歯ごたえで、弾力のある食感です。また、腸管の塩辛を「このわた」と呼び、からすみ・うにとともに、天下の三珍といわれています。

カサゴ(愛知県産)

沿岸の岩礁に棲み、大口・大目玉で面構えもいかつく、背びれやトゲが鋭く、注意が必要です。体色は黒褐色から赤褐色まで変異に富み、深い所にいるものほど赤みががっています。大小の白斑がたくさんあり、複雑な体の模様が周囲にとけこんで見分けがつきにくいこともあります。

ひらめ(愛知県産、三重県産)

「左ひらめに右かれい」といわれるように目が左についています。体は長楕円形で、左右に平たいです。口が大きく、両あごの歯が鋭く強い。有眼側は暗褐色で、白色小斑と豹紋状黒斑があります。ひれのつけ根にある、「エンガワ」は、好物な方が多いです。

タコ(伊勢湾産、三河湾産)

大きいものは全長60cm、体重3kg~4kgになります。足の長さは全長の4分の3くらいで、胴の表面は大小のいぼが網目状になっていて、黄褐色にむらがあります。房状の卵は海藤花といいます。茹で・刺身など調理方法は多彩です。

めばる(伊勢湾産・三河湾産)

煮魚の代表格。からだは紡錘形で側扁し、目が大きくやや凸形で、前頭部の上端近くについているので、目と目のあいだが狭いです。沿岸に棲む魚で、棲む場所や深さによって色が異なり、赤メバル・黒メバルなどと呼び分けます。

冬の鮮魚
旬のレシピをご紹介
めばるの煮つけ

材料3人分: メバル(下処理済み)3尾、酒1.5カップ、砂糖大さじ2、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ2
①フライパン等にメバル、酒を入れ、落し蓋をして煮立てる。
②煮立ったら吹きこぼれに注意しながら3~4分加熱する。
③フタをあけ、砂糖、しょうゆ、みりんの順に入れ、再度フタをして、吹きこぼれに注意しながら火加減を調整し(弱火くらい)加熱する。
④煮泡で包み込むように4~5分煮てできあがり。

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